ORIYAMAKE

秋田県北秋田市・森吉山麓モロビの里に生息しています

ラーギャロー

(大掃除で出てきた2007年にチベットまで旅をしたときの手記。今年開業したゲストハウスの原点でもあるので記録に残しておく。)

 

ラーギャローとは、チベットの人たちが峠越えをするときに発する言葉で「神に勝利を」という意味らしいです。ルンタと呼ばれるお経が書かれた小さな紙の束を一緒にバラ撒きながら叫びます。

ラーギャローが自分の中で最近の流行語で、山のぼりで疲れた時などに意味もなく連呼してます。標高4000mともなると空気がほんと薄くて、ラギャロってないとやってられません。クラクラです。

 

久しぶりの更新。目的だったラサでのアート展示の撮影も終わり、展示していた人たちは先に日本に帰ったり、ネパールの方へ抜けて行ったり……自分は安い飛行機のチケットがとれなさそうなので、13日の列車で上海まで、そこからフェリーで大阪、深夜バスで東京に帰る予定。8月に日本を出発してから1カ月。初めての海外旅行。そろそろおしまい。旅で出会った景色や人たちは、ほんとうに宝もので、自分自身は全く何も変わっていないような気がするけれど、周りの環境がちょっと広がった気がして、嬉しくもあり、新たな不安がうまれたような気もしていたり……旅で遭遇した言葉には印象深い言葉が沢山沢山。例えば「旅では日本以上に生活してる気がする」という言葉は的にズバリと当たっていて、すごいなぁと思ったり。ごはんのこと、トイレのこと、お金のこと、いつもいつも気にして過ごさなきゃいけない毎日。めんどくさいけど、これが普通なのか、と。あとは、チベットを旅行していて一番すごかったのは何ですか?という質問に対しての答えで「人の信仰心かな」というもの。結局、人間は人間を見るということで、がんばって人間を撮り続けようと再確認。

 

香港、リージャン、シャングリラ、ラサ、ナムツォと泊まった都市は全然少なくて、きっと本当の旅をしている人からしたら、自分はサファリパークのバスから外を眺めている状態でしかないと思う。撮影できた映像も、他の旅行者のビデオテープに収まっているものと何が違うのかと聞かれて、実際に見てみても、少しも変わらないものだと思う。自分の目、旅行者の目、現地の人の目。自分のカメラはどれだけ柔軟に変化して撮影することができるのだろうか。バスで偶然出会った日本語ができるチベットの人が言っていたひと言。「ラサは警察が多いし、住みにくいでしょ」…これに全く気が付かなかった。自分は反省してもしきれない。ラサに入るためには許可証も必要なくらいだし、外国人も多いし、車も多いし、これくらい警察がいても仕方がない、当たり前のことだよなぁ、なんて思わされていた。自分から目を閉じていたことが腹立たしい。くやしい。ここで生活をしている人の気持ちになれば、警察の多さは気になって当たり前。

 

これから日本に帰って、十数本になったテープを編集するわけですが、綺麗な景色、子どもの笑顔、青い空はあんまり使えないんじゃないかなぁ、と心配。だって、どこに旅行しに行っても入っちゃう映像だし……それに代わって何を入れていけば良いかは謎。アート展示の映像とは別につくる旅ビデオはすんごい楽しいのが伝わるようにつくっちゃおうかな。旅中に出会った人に見せたくなるものができたら良いかなぁ。旅に行かなかった人も行った気になる映像か。行きたくなるような映像か。

 

(おしまい)A4用紙に書きなぐった記録より

写真はチベット・納木錯

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