ORIYAMAKE

瞑想登山家/秋田県北秋田市・森吉山麓モロビの里に生息しています

若者が過疎地域から離れているのではなく、過疎地域が若者を拒んでいる

20歳前後がごっそりいない町 

先日、秋田大学に打合せでお邪魔したときに、若者で溢れるキャンパスを見て

これだけの若者がいれば、何でもできてしまうのではないかという錯覚に襲われた。

 

私の暮らしている秋田県北秋田市では人口減少に加え、大学がないこともあり、

20歳前後の若者層がごっそりと抜けている。

高校生の次は、30代の帰郷してきた層まで飛ぶ。

大学か就職で外へ。しかも、これが皆望まれた結果ではないことも問題である。

地元に就職したいけど、希望の職種がない、募集してない、あるのは介護や

事務仕事ばかり…県外で経験を積んで、いずれは地元のために帰ってきて

働きたいと、若者は言うが現実は無情で厳しい。 

 

田舎では若者にチャンスがない 

田舎と都会で何が違うのか。若者にとって一番大きいのは

都会にはチャンスが無数にあることではないか。

年齢は関係なく、素晴らしいものは評価される文化がある。

しかし、田舎ではことさら若者は低く見られる。若者の意見は参考まで、

若者の行動は元気が良くてよいだけ、若者は青くて未熟。

 

私は「若者から元気がもらえて良かった」という発言が

「地元にお金を落としてもらう」という発言の次に苦手である。

そういう発言をする人の大半が生涯現役、まだまだ若い者には負けてられない、

という世代交代を拒む人物である確率が高いからだ。

 

都会を引っ張っている社長は30〜40歳代がメインでも、田舎にくれば

60歳以上がまだまだ現役で頑張っていることからも、田舎がいかに

世代交代に失敗しているか、若者にチャンスを与えられていないかが分かる。

 

それでも地元に就職したい 

それでも、高校卒業後すぐに地元に就職をする若者もいる。

その割合は10人中3人。家族のため、地域のため、自分のため、理由は様々だが

どこか後ろめたさを抱えている。周りと違うという、少数派の後ろめたさ。

私があった人物はとにかく大人しい。真面目。もちろん友達と会えばバカ騒ぎも

するだろうが、初対面でもグイグイくるタイプの人間がいない。

大人に対する牙を抜かれてしまったような、去勢されてしまったような

そんな印象を受けた。町に出ても、若者向けの施設、お店はない。

職場でも一番下っ端、町にも自分たちの居場所がない。それが田舎の若者の現実。

 

しかし、地元のために汗を流し、働いている若者は素晴らしい。

一昔前はそれが当たり前だったのだろうが、いつの間にか逆転してしまった。

今の当たり前に逆らい、地元で頑張っている若者をもっと応援したい。

 

 50年後に消滅するかもしれない村や町

このまま何もしなければ、50年後には人口がゼロになる。

単純計算だが、と前置きがついた資料を見た。

 

自分たちが住む町がなくなるということが、これほどまでにリアルに

感じられる時代になった。なってしまった。

私は、自分の住む集落の場合、このまま行くと30年後にはなくなってしまう

という計算で動いている。今の50代が80代になるとき、集落としての機能が

維持できなくなる。感覚としてではなく、実感としてそう思う。

 

そのためには、世代交代のスピードを速めなくてはならない。

若者に地元へ帰ってきて、働き、生活をしてもらわなくてはならない。

 

どうすれば若者を受け入れられるのか

若者が言う「働きたい仕事が田舎にない」という場合。若者自らが起業すれば

解決する。(といってもそんなに簡単ではないが……)

都会ではそういった土壌があり、仕組みが盛んに作られてきた。

田舎も田舎にあった起業の仕組みを作っていかなくてはならないだろう。

これは行政に頼っていてはいつまでたってもできない。

例え作っても、作りました、募集しても応募がゼロでした、はい止めます。

というのが、目に見えている。

田舎で若者が起業をするというのは、相当ハードルが高い、お金やら何やらは

もちろんのこと、一度失敗してしまえば、噂が広がり再起のチャンスがない。

チャレンジできない文化がある田舎は消滅していく。

 

これからの過疎地域に求められていること

そこで、私が推し進めたいことは「シニアによる起業」だ。

若者に起業させるために、老人に起業させるとはどういうことか。

つまりは、シニア層は若者にないものを沢山持っているということだ。

お金、経験、人脈と起業に必要なものを全て兼ね備えている。

しかし、元気、行動力、IT技術など若者に頼らなければならない部分も

多く、この両者をお互いにマッチングさせ、対等な関係で協力できるような

仕組みを作れば、今までよりは円滑に事を運べるのではないかと考えている。

最初は共同経営者とまではいかなくても、従業員としてでもいい。

 

シニア層と若者が本当の意味で対等な関係を築くことが、これからの過疎地域に

一番求められていることではないだろうか。